名護・自然観察日記

名護で出会った生きものを中心に紹介します。

サバニの制作 その9

2月2日 スクジー(船底)その3

170130スクジー制作30

スクジー(船底)は、中央部分、角、ヒーサキ(船首)側のヒーングヮー、トゥム(船尾)側のトゥムングヮーの
四つの部材で構成されているため、合わせ面が多く作業に時間を要します。

スクジーの角部分の接合面を鉋で整えたら、




170128スクジー制作26

部材を乗せた状態で、合わせノコを入れます。







170129スクジー制作27









170129スクジー制作28

合わせノコはノコの厚みを確保するため、竹のクサビを入れながら作業します。







170131スクジー制作31

合わせノコの作業が済んだら、余分な部分を落とすため、
落とす厚み分部材の繊維をチェーンソーで切り、









170131スクジー制作32









170131スクジー制作33

ノミで落とし、







170129スクジー制作29

ディスクサンダーで面を荒削りします。









170202スクジー制作34

角の部材の成形が粗方仕上がったところで、舷側板とスクジー(中央)の間に納め、接着し、カスガイで固定しました。

ちなみに、このカスガイのかたちにも意味があります。





170202スクジー制作37

カスガイのツメは左右平行ではなく、少しハの字に開いており、
接合する材料にまたいだ状態で打ち込むことによって、それぞれの部材同士がより密着するように造られています。

それにしても沢山のカスガイが打ち込まれた状態は、まるで彫刻作品ようで魅了的です。




170202スクジー制作35

内側もこの通り








170202スクジー制作36

あるいは建築物に見立てても面白いかたちです。







170202スクジー制作38

スクジーの作業が済んだら、竹クギとフンドウを大量に使用するので、
再びフンドウの注文?を受けました。
正確なかたちのパーツを量産するのは、機械が得意とするところです。







スポンサーサイト
  1. 2017/02/09(木) 19:06:55|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

サバニの制作 その1

2017年1月5日 名護城公園せせらぎひろば内でサバニの制作が始まりました。
今回のサバニ制作の詳しいいきさつは、「冒険手帳のブログ」をご参照下さい。

私のブログでは作業の様子などをご紹介します。
 

1月5日 起工式

仕事を始めるにあたり、神様にお祈りをいたしました。
お供え物と共に、仕事で使う道具を並べ安全に作業が出来ますようにと。

170105起工式1









170105起工式2









170105起工式5









170105起工式6









170105起工式7

サバニ底板にお祈りする武林さんは、今回のサバニ制作のサポートにあたります。







170105起工式8

そして、今回のサバニ制作者である長嶺誠。
サバニ制作三艇目にして師匠である新城康弘さん(石垣市白保)の手を離れて制作する、
彼にとっても大事な一歩となる仕事です。





170105起工式9

子供達もはじめて目にするサバニ造りに興味津々。






1月7日 舷側板の制作

170107舷側板製作1

工房で板の厚みを40mmまで落とし、作業台に並べられた四角い板。
この板がサバニになるまで、その行程を間近で見られる絶好の機会に私もわくわくしています。






170107舷側板製作7

今回の舷側板は2枚矧ぎにするので、矧ぎ合わせをる面を整える作業に掛かります。
2枚の板をはぎ合わせる位置がずれないようカスガイで固定し、矧ぎ面に丸ノコを通します。







170107舷側板製作2

つぎに竹のクサビで合わせノコを入れる隙間を造ります。







170107舷側板製作4

隙間を確認しながら合わせノコを入れます。
辛い姿勢の作業です。






170107舷側板製作3









170107舷側板製作6









170107舷側板製作8

矧ぎ面が整ったら接着剤を塗り、カスガイで固定し、端ガネで圧着しました。







  1. 2017/01/22(日) 08:55:16|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

ジュゴンの海 その5

2007年より継続している北限のジュゴン調査チーム・ザンによるジュゴンの食性調査を、
先日ようやく終えました。

DPP07E008020E3502.jpg
                         記録ボードを片手に海草を調べる調査員




例年調査は台風の影響でしばしば中断していましたが、今年は沖縄島に接近する台風が無く、
お陰で調査は順調に進んだのは良いのですが、台風で海が荒れない分、上昇した海水温が下がらず、
サンゴの白化が起き始めていました。

DPP07E008020E2001.jpg
                                                      白化したミドリイシ類





ジュゴンの餌場である海草藻場は、台風などによる波浪の影響を受けやすく、私たちがモニタリングする海域では、
過去の航空写真の比較により1990年ころから海草藻場が縮小してきたことが分かりました。

DPP07E008020E2605.jpg
                              ジュゴンの食み跡を手で辿る



毎年のように襲来する台風ですが、2014年の夏以降は大きな台風が名護市に接近しておらず、
その結果過去に台風で面積を減らした海草藻場が、徐々に回復してきたようです。

今年は特にジュゴンが好むと言われているウミヒルモの勢力が盛んでした。

DPP07E008020E2D38.jpg
                                          ウミヒルモが優占する藻場で確認した長い食み跡

調査中そんなウミヒルモが優占する藻場で、ジュゴンのものと思われる糞を見つけました。
サイズ、量ともかなり立派?です。

この海域では、大型草食動物としてジュゴンの他にアオウミガメが棲息しています。
ジュゴンは摂取した海草を7日間前後という長い時間を掛け消化し、海草を利用し尽くしてから排出するため、
海草はすっかり消化され、その糞は練りあん状になります。
それに対してアオウミガメの糞は未消化の海草を多く含みます。
今回見つけた糞はサイズもさることながら、前者の状態の糞だったので、ジュゴンのものと確信しました。

DPP07E008020F0213.jpg
                              ジュゴンのものと思われる糞




環境省が行なった「ジュゴンと藻場の広域調査」では、2003年に沖縄諸島周辺に棲息するジュゴン個体群の特性を、
ミトコンドリアDNAの解析によって明らかにする試みが行なわれ、ジュゴンの骨標本、干肉、表皮資料とともに、
予備実験として鳥羽水族館で飼育されていた個体の糞からミトコンドリアDNAを抽出し、解析に成功しています。

DPP07E008020E2937.jpg




つまり糞は、野生下のジュゴンを捕獲することなくその個体の遺伝学的特徴を明らかにする可能性を秘めた、
重要なサンプルなのです。
早速糞は冷凍し、分析を行なっている研究者へ送りました。
なんとかミトコンドリアDNAの抽出に成功することを祈っています。

DPP07E008020F0046.jpg
                                  糞を採取する調査員






そして今回も沢山の食み跡が確認できました。

DPP07E008020E3006.jpg
                       ベニアマモが優占する藻場で確認した食み跡








DPP07E008020F2A34.jpg
                                            ウミヒルモが優占する藻場で確認した食み跡








DPP07E008020F2F17.jpg
                                            ウミヒルモが優占する藻場で確認した食み跡








DPP07E008020E3719.jpg
                                       海水温の上昇にも負けずに成長するユビエダハマサンゴ






海水温の上昇は気になりますが、ジュゴンの食卓は今年も健全でした。

DPP07E008020F3808.jpg









  1. 2016/08/03(水) 08:58:06|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

プロフィール

細川太郎

Author:細川太郎
名護に住み、身近な自然のすばらしさに日々感謝しています。宝物は意外と自分の足下にあるものです。

※ 写真の無断複写や転用・転載はご遠慮下さい。

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (3)
サシバ (7)
タカの渡り (31)
アサギマダラ (3)
ミゾゴイ (2)
クモの巣 (2)
リュウキュウキビタキ (1)
ヤンバルクイナ (1)
ジュゴンの食み跡 (6)
リュウキュウアカショウビン (23)
コゲラ (1)
アマミヤマガラ (1)
ホントウアカヒゲ (2)
クチナシ (1)
リュウキュウハグロトンボ (1)
リュウキュウアオバズク (1)
ヒメアマツバメ (1)
アカハラダカ (3)
カラスバト (1)
ハリオアマツバメ (1)
クロビタイハリオアマツバメ (3)
ハイタカ (6)
アトリ (1)
ハヤブサ (1)
ツミ (1)
リュウキュウイノシシ (1)
ルリビタキ (1)
イボイモリ (3)
オオシマカクムネベニボタル (1)
オキナワルリチラシ (1)
海草 (1)
サガリバナ (1)
サバニ (16)
西表島 (2)
クロツラヘラサギ (1)
リュウキュウメジロ (1)
サツマニシキ (1)
ノグチゲラ (1)
コバノミヤマノボタン (1)
ヒョウモンカワテブクロ (1)
イルカンダ (1)
オリイオオコウモリ (0)

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR