
2022年10月17日 朝焼け
10月17日。サシバの飛去数は161羽と少なめでしたが、久しぶりにノグチゲラのドラミングが聞こえました。
ただこの日を最後にノグチゲラのドラミングは確認できなくなり、ちょっと寂しくなりました。
ドラミングを行なっていたのはメスの成鳥だったので、それに応えるオスが現れていれば
ここ名護岳での繁殖も期待できたのですが・・・その日が来るまで気長に待ちましょう。

2022年10月20日 サシバの群れ
10月20日。この日は6時台に644羽のサシバが飛去し、大変忙しいカウントとなりました。
悪天候で名護やんばるに足止めされたサシバが一気に飛去した印象でした。
一方徳之島便はごく少数が通過し、また久しぶりにアカハラダカの小さな群れも観られました。

2022年10月20日 リュウキュウツミ 幼鳥
10月21日。リュウキュウツミの幼鳥が縄張りを通過するタカにモビングを仕掛けていました。

2022年10月25日 サシバ 幼鳥

2022年10月26日 朝焼け

イシガケチョウ

2022年10月27日 朝焼け
10月27日。本日のサシバの飛去は0羽で、サシバの渡りもほぼ終了した印象でした。
タカの飛来が少なくなるこの時期ですが、運が良ければ息を呑むような朝焼けを拝むことができるので、
それを楽しみに観測場所に足を運んでいるといっても過言ではありません。

2022年10月27日 サシバ 幼鳥

2022年10月27日 サシバ 幼鳥

2022年10月28日 ミサゴ オス

2022年10月28日 ハヤブサ 幼鳥

2022年10月28日 朝焼け

2022年10月29日 ハヤブサ 幼鳥

2022年10月29日 サシバ 幼鳥
10月29日。本日は久しぶりにサシバが5羽飛去しました。
南下したのは越冬地がまだ固定されていない若い個体のようでした。
写真は近くを飛んでくれた幼鳥。こちらは渡りませんでした。

2022年11月3日 朝焼け

2022年11月5日 カワウ
11月5日は久しぶりに天気が回復し、サシバ16羽、ツミ4羽、ミサゴ1羽、ハイタカs.p.2羽、サギ科11羽、カワウ35羽、
ツバメ2羽、リュウキュウツバメ11羽、イワツバメ1羽と、多様な渡り鳥を確認しました。

2022年11月5日 サシバ 幼鳥

2022年11月5日 リュウキュウハシブトガラス
今年はイタジイのドングリが豊作のようですが、
このリュウキュウハシブトガラスが口いっぱいにくわえているのは、そのドングリでしょうか?

2022年11月6日 朝焼け

2022年11月6日 リュウキュウツバメ
11月に入るとツバメ類の渡りは、ツバメからリュウキュウツバメに主役が変わりました。

2022年11月7日 サシバ メス

2022年11月8日 皆既月食
11月8日は皆既月食が観測できました。
ここ名護では前半は雲に覆われる時間がつづき、ピークを過ぎたあたりから雲が晴れ、
その後は綺麗な赤い月を拝むことができました。
さて、サシバのカウントはこのブログを書いている11月15日現在も継続中ですが、
これから大きな群れがくることはないので、今期のサシバの渡りを振り返りたいと思います。
名護岳の今期のサシバの飛去数は4825羽(11月15日現在)でした。
この結果を国内のサシバの最大の飛来地である宮崎県金御岳と沖縄県伊良部島のデータと比べながら考えてみたいと思います。

この三つの観測地点の過去8年間の飛去数を見ると増減の幅に違いはあるものの、山や谷はおおよそ一致していることから、
山の年は個体数が増え、谷の年は個体数が減ったと考えられそうです。
ただ2020年以降は金御岳は増加傾向にあるのに対して、伊良部島と名護岳は共に2021年に減少し今年もわずかな増加にとどまりました。
タカの渡りの観測は天候に左右されますが、名護岳の記録が金御岳よりも伊良部島の記録に近いのは、
二つの観測地点が金御岳と比べて地理的に近いため、同じ台風や前線などの気象状況に影響を受けた結果とも考えられそうです。

2022年11月5日 サシバ
今期の天候の特徴はサシバの渡りが集中する10月中旬に台風の直撃は無く、
雨で観測が中止になった日も例年と比べて少ない状況でした。
中継地の伊良部島と経由地の名護岳を同等に比較することはできませんが、
名護岳の場合は渡りのピークの時期に雨が降ると、雨の翌日に飛去数が伸びる傾向があります。
これは雨で南下できなかったサシバが名護やんばるに降り(中継し)、雨が上がった翌日に多数の個体が飛去するためだと推測しています。
このような気象状況だったのが2018年で、名護岳では過去最高の12770羽をカウントしました。
逆に雨の日が少ないと、サシバは名護やんばるを中継することなく南下するため、今年のようにカウントは伸びないようです。

カゴメラン
また今年はサシバの飛来のピーク時期に強い北風が続いたことも、
伊良部島や名護岳の飛去数が金御岳と比べて伸びなかった要因の一つではないかと推測しています。
一般的にサシバは40km/hで移動すると言われていますが、
今年は6-7m/sの北風に乗り、60km/hと思われるほどの高速で飛去する場面が多く、
その結果一日の移動距離も1.5倍ほど伸び、例年であれば伊良部島を中継していたサシバも、
今年は伊良部島を中継することなく八重山まで移動し、伊良部島のカウントが伸びなかったのではないでしょうか。

参考までに先ほどのグラフに台湾の墾丁のデータを加えたものを作ってみました。
なお墾丁でカウントされるサシバは主に大陸で繁殖したグループであるのに対して、
南西諸島でカウントされるサシバは主に日本で繁殖したグループであるという違いがあります。
墾丁の記録を見ると2015年以降個体数は増加傾向にありましたが、2022年は減少に転じました。
この減少要因はサシバ飛来のピーク時期に当たる10月16日-18日に墾丁が位置する台湾の南部に台風20号が接近し、
3日間観測ができなかったことや、沖縄と同じように強風が続いたことが影響した可能性も考えられますが、
減少幅が大きいことから、今年の夏以降に大陸で発生した大規模な干ばつが影響した可能性も考えられるので
来年以降の観測を注視したいと思います。

さて、11月8日の琉球新報に今年伊良部島で実施されたサシバ飛来調査結果が掲載されました。
それによると1973年から50年間続く調査結果からサシバの飛来数は減少し、その要因について宮古野鳥の会の仲地邦博さんは
「渡りの中継地である伊良部島、下地島をはじめとする宮古で、サシバが休息できる森林が大きく減っている」と指摘されていました。
渡り鳥は国境や地域を越えて移動する生き物ですが、彼らにとって繁殖地や越冬地とともに、
中継地や経由地を含めた全体が重要な生息地と考える必要があります。
例えば越冬地のフィリピンでサシバが密猟されれば、繁殖地の日本の里山の生態系に影響が及ぶでしょう。
逆に繁殖地の里山が荒廃しサシバが減少すれば、越冬地の生態系にも影響が及ぶことにもなりかねません。
同様に中継地や経由地の休息場所や餌食物が損なわれれば、繁殖地や越冬地に辿り着けなくなる可能性も出てきます。
このように渡り鳥の保全には国や国境を越えた協力関係が必要となることから、
渡り鳥に関心を持つことは、グローバルな視点を養うきっかけになるのではないかと考えています。
2022年(Autumn)秋期 名護岳タカの渡り調査記録
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- 2022/11/15(火) 09:01:53|
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2022年10月2日 朝霧
10月に入ると沖縄も朝夕は涼しくなり、写真のように森では霧が発生し、
幻想的な世界が広がります。
9月から10日以上ノグチゲラのドラミングを確認していますが、
日の出の時間帯にこの谷から聞こえてくるので、この谷のどこかに寝ぐらがあるものと推測されます。
先日姿を確認したのはメスの成鳥。お気に入りのドラミングポイントがあるようで、軽快な音を響かせています。
秋の空にタカの姿を探していると、背後の谷から「「タッタララララ・・・」と聞こえ、
至福の時が流れます。

2022年10月3日 サシバオス
10月3日。アカハラダカの渡りのピークも過ぎ、サシバの本格的な渡りには少し早い端境期にあたるこの時期は
タカの姿も少なく、やや物足りなさを感じます。

2022年10月3日 サシバオス
この個体はオスの成鳥だと思いますが、痩せています。
次の経由地でエネルギーの補給が必要ですね。

2022年10月3日 サシバオス

2022年10月3日 オオシマゼミ
オオシマゼミの鳴き声は秋っぽくて嫌いではありませんが、
こう近くで鳴かれるとさすがにうるさいですね。
ちなみにこの日は日の出12分前のまだ薄暗い6:09から鳴き始めていました。

2022年10月3日 リュウキュウツミ幼鳥
この日も相変わらず写真のリュウキュウツミ幼鳥がモビングを仕掛けていました。
モビングを仕掛けるのは成鳥よりも幼鳥の方が頻度が高い印象です。

2022年10月4日 アカハラダカ幼鳥
この日のアカハラダカの飛去数は149羽と一気に減りましたが、サシバは29羽にとどまり、
まだアカハラダカの数が上回っていました。

2022年10月4日 ツバメ幼鳥
10月4日はアカハラダカ41羽、サシバ43羽と少なかったので、ツバメと遊んでいました。
ヒイロトゲナシケバエが沢山飛んでいましたが、ツバメは食べないようです。
このツバメですが、飛行コースを不規則に変えるため撮影難易度が高く、
鳥の飛翔写真の練習台にはもってこいの被写体です。

2022年10月5日 アカハラダカ幼鳥
10月5日の飛去数はアカハラダカが200羽、サシバが91羽で、
アカハラダカはまだまだ続く印象でした。

2022年10月5日 サシバオス

2022年10月6日 朝焼け
明後日の10月8日は寒露。サシバの本格的な渡りが始まる時期ですが、
この日の渡りの主役はまだアカハラダカでした。

2022年10月6日 アカハラダカの群れ
本日までのアカハラダカの飛去数の累計は8224羽となり、
過去5年間の平均値8063羽を超えました。

2022年10月6日 アカハラダカの群れ

2022年10月6日 アカハラダカの群れ
この日は北の風4-5m。アカハラダカの200羽ほどの群れが風に向かって羽ばたき、
白い翼がチラチラ輝き大変美しい光景でした。
その時の動画
2022年10月6日 アカハラダカ幼鳥

2022年10月7日 朝焼けの中のサシバ
10月7日の早朝は快晴でしたが8:20には小雨が降り出し、タカも少なかったため観測は早々に切り上げました。
仕事場に戻り日の出10分前の6:13に撮影したこの朝焼けの写真をチェックしていたら、なななんとサシバが16羽も写っていました!
リアルタイムでは全く気付かず、写真を撮っていなければこの群れを見逃していたところです。
サシバ恐るべし!

2022年10月9日 アカハラダカ幼鳥

2022年10月9日 朝焼け
10月9日も朝焼けが美しく、サシバがまだ渡っていないことを確認しながら撮影しました。

2022年10月9日 日の出
本日の飛去数はサシバ205羽、アカハラダカ67羽でした。
このうちサシバの6時台の飛去数は18羽と少なかったものの、10時台の徳之島便と思われる群れは昨日に引き続き90羽確認できました。

2022年10月11日 朝焼け
10月11日の飛去数はサシバ832羽、アカハラダカ5羽で、本日も7mの北風が吹き時おり雨粒がパラパラ落ちる中、
サシバ6時台の名護やんばる便は275羽、10時台の徳之島便と思われる群れは486羽飛去しました。

2022年10月11日 サシバの群れ
この写真の群れは10:05に飛来した徳之島便で、

2022年10月11日 サシバの川
270羽がサシバの川となって通過しました。
サシバは雨雲にかかりそうなギリギリの高度で渡っていたため、
群れの一部が見え隠れする状態でしたので、実際にはもっといたのかもしれません。

2022年10月11日 チゴハヤブサ
徳之島便が去った後、「キーッ、キッキッキッ」と鳴きながら写真のチゴハヤブサ が現れ、
この日の観測を締めてくれました。

2022年10月13日 チゴハヤブサ
10月13日は相変わらず北寄りの風が6mと強く、また水蒸気が多かったため古宇利島が霞むほどの視界不良でしたが、
サシバ124羽、アカハラダカ0羽、ツミ2羽、ミサゴ2羽、ハヤブサ1羽、チゴハヤブサ1羽、ハイタカs.p.1羽が飛去しました。
この日は沖永良部島9時の風速が12mと強すぎたためか、徳之島便も40羽と少なめでした。
写真は今期2羽目のチゴハヤブサですが、現れたと思ったら、あっという間に去ってしまいました。
風が強いとじっくり観察もできません。

2022年10月14日 リュウキュウサギソウ
10月14日はフィリピンの東の海上に発生した熱帯低気圧の雨雲がかかり、
タカは雨雲を避けるように現れ、サシバ250羽、アカハラダカ3羽が飛去しました。
毎年10月の半ばはサシバの飛去数がもっとも多くなる時期ですが、
今年はこの熱帯低気圧と北西から接近する前線の影響で雨模様が続きそうです。
名護岳の周辺では写真のリュウキュウサギソウが咲き始めました。
この後接近する雨雲が去った秋空に、再びサシバが舞うことを期待しています。
2022年(Autumn)秋期 名護岳タカの渡り調査記録
- 2022/10/14(金) 16:04:20|
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2022年9月26日 アカハラダカ 成鳥オス
その後一週間に3個の台風が発生しましたが、沖縄地方には大きな影響もなく、
雨が降った9月25日以外はアカハラダカは毎日姿を見せました。
写真はアカハラダカ成鳥オスです。
オスの成鳥は翼のまだら模様がすっかり消え、白さも増し、翼の先端が黒く染まり、
コントラストの際立つ「白いタカ」という印象の美しいタカになります。

2022年9月26日 アカハラダカ 若
9月26日。この日は東の風が2mと弱く、また雲も多かっため、
アカハラダカは行ったり来たりを繰り返し、すんなりとは渡りませんでした。

2022年9月26日 アカハラダカ 成鳥メス
この日の飛去数は、アカハラダカが620羽でした。

2022年9月26日 アカハラダカ 幼鳥
この日のアカハラダカ群れの動画
2022年9月26日 ブロッケン現象
この日は日の出直後の時間帯にブロッケン現象が発生しました。
ブロッケン現象と聞くと高い山で見られる現象と思われがちですが、
高い山の無い沖縄でも条件さえ揃えばこのように見ることができます。標高345mの名護岳でも。
ここ名護岳では2年に一度くらいの頻度で確認しています。

2022年9月27日 アカハラダカ 幼鳥
9月27日。この日は朝からガスがかかり、およそ8.5km離れた嘉津宇岳さえ霞むほど視界が悪い日でした。

2022年9月27日 アカハラダカ
そのため渡らずアカハラダカが104羽と多く、飛去したものは220羽にとどまりました。
この日のアカハラダカ群れの動画 その1その2(その1の続き)
2022年9月27日 リュウキュウツミ幼鳥
そんな中、写真のリュウキュウツミ幼鳥がアカハラダカにモビング(擬攻撃)を行なっていました。

2022年9月27日 リュウキュウツミ幼鳥
アカハラダカはキジバト大の小さなタカで、リュウキュウツミはさらに少し小さいタカです。
食性はアカハラダカが主に小動物を捕食するのに対して、ツミは主に小鳥を捕食するため気性も荒く、
アカハラダカに限らず自分よりはるかに大きいミサゴでさえモビングを仕掛けます。

2022年9月28日 アカハラダカの群れ
9月28日。この日は朝から快晴で、やんばるにとどまっていたアカハラダカが一気に渡った印象で
名護岳での飛去数は1629羽
嘉津宇岳での飛去数は3333羽でした。

2022年9月28日 アカハラダカの群れ
この日の最大の群れは7:42に529羽でした。
この日のアカハラダカ群れの動画
2022年9月28日 アカハラダカ成鳥メス
アカハラダカのメスはオスと比べ胸の赤みの面積が広い印象です。

2022年9月28日 アカハラダカ幼鳥

2022年9月28日 リュウキュウツミ成鳥メス
この日は珍しくリュウキュウツミの成鳥が姿を見せました。

2022年9月29日 アカハラダカ幼鳥
9月29日。この日は一旦南下したと思われた群れが再び北上するなど
行ったり来たりする群れが多かった渡りでしたが、最終的に1626羽のアカハラダカが渡りました。

2022年9月29日 アカハラダカ成鳥オス

2022年9月29日 アカハラダカ幼鳥

2022年9月29日 アカハラダカ幼鳥

2022年9月29日 アカハラダカ幼鳥

2022年9月29日 アカハラダカの群れ
この日の最大の群れは8:28の880羽でした。
この群れは観察場で撮影した250羽ほどの群れの写真をPCの大きな画面で確認したところ
その奥にさらに倍以上の群れが写っていたというものでした。
改めて写真で記録することのメリットを感じた一件でした。

2022年9月29日 アカハラダカの群れ

2022年9月29日 アカハラダカの群れ

2022年9月30日 サシバ
9月30日。この日のタカの飛去数は505羽とそれほど伸びませんでしたが、
今期初のサシバ9羽の飛去を確認しました。

2022年9月30日 サシバ

2022年9月30日 ハチクマ成鳥メス
そして待望のハチクマも現れました!
ただ種が同定できる距離に近ずいた時に、思わず「ハチクマだ!」と声を出してしまい、
それが聞こえたのか、近くに寄らずに飛び去ってしまいました。
鳥はカメラのスイッチを入れる僅かな「カチッ」という音でさえ敏感に聞き取り、
飛び去ってしまうこともあるくらい敏感な生き物です。
観察の際もできるだけ目立たない服装を心がけていたのですが、肝心な時に失敗してしまいました。
これを教訓に、以後精進に努めたいと思います。
2022年(Autumn)秋期 名護岳タカの渡り調査記録
- 2022/10/01(土) 17:32:28|
- タカの渡り
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2022年9月12日 ハリオアマツバメ
今年も秋のタカの渡りの季節が訪れましたが、この季節は台風が発生する時期とも重なり、
今年は特に8月までの台風発生数が少なかったこともあり、沖縄地方はここにきて立て続けに台風の影響を受け、
アカハラダカの飛来も例年と比べ遅くなっています。
そんな中アカハラダカとは渡りのルートが異なるハリオアマツバメが姿を見せました。

2022年9月15日 リュウキュウツミ幼鳥
9月15日。台風14号の風が入り、時頼小雨が降る中、写真の留鳥のリュウキュウツミが姿を見せました。

2022年9月16日 ミサゴ メス
9月16日。ようやくアカハラダカが確認できましたが、数は2羽。
それも遠くを飛去したため写真は撮れませんでした。
その代わりにミサゴのメスが現れ、頭上を通過する際にガン見されました。

2022年9月19日 ツバメ 幼鳥
9月19日。台風14号の吹き返しの西の風が吹き、タカの姿はありませんでした。
それでもツバメは渡っていたので撮影の練習台になってもらいました。
挙動が変則的で手強い被写体です。
ちなみに幼鳥は尾羽が短いため、このように写真を撮らないとリュウキュウツバメとの判別が難しいです。

2022年9月20日 アカハラダカ 幼鳥
9月20日。やっと近くにアカハラダカが姿を見せましたが・・・2羽。
この秋はなかなかエンジンがかかりません。

2022年9月20日 アマツバメ

2022年9月21日 アマツバメ
9月21日。やっと二桁(38羽)のアカハラダカが飛去しましたが、近くを通りませんでした。
代わりにアマツバメとハリオアマツバメが被写体になってくれました。

2022年9月21日 ハリオアマツバメ
アマツバメはアマツバメ属に、ハリオアマツバメはハリオアマツバメ属にそれぞれ属しますが、
旅のお供は仲良く行動していました。

2022年9月21日 ハリオアマツバメ

2022年9月21日 ハリオアマツバメ

2022年9月22日 アカハラダカの群れ
9月22日。ようやくアカハラダカらしいまとまった群れが現れました。
この日のアカハラダカの飛去数は1044羽。最大の群れは7:41の225羽でした。
写真は113羽の群れの一部です。

2022年9月22日 アカハラダカ 幼鳥
ところで、今年の7月からEOS R7を使用しているのですが、シャッター音がけたたましく
鳥の撮影の障害になるためサイレントシャッターモードで撮影していたのですが、
サイレントシャッターモードにすると自動的に電子シャッターになるため、ローリングシャッター歪みが発生してしまいました。
この写真は滑空シーンなのでそれほど気になりませんが、少なくとも飛翔写真には使えない状況です。
EOS R7はAPS-Cセンサーということもあり、野鳥撮影目的で使用する方が多いはずなので、
シャッター音を無音とは言わないまでも、少なくとも小音で設計すべき機種だったと思います。

2022年9月23日 アカハラダカの群れ
9月23日。アカハラダカの飛去数はは205羽にとどまりましたが、
観察中度々ノグチゲラのドラミングが聞こえたのでタカのカウントは早々に切り上げ、ノグチゲラ探しに移りました。

2022年9月23日 ノグチゲラ成鳥メス
ドラミングが聞こえたあたりに行くと、予め連絡を入れていたTさんが既におり
谷側の林の中から「タッタララララ・・・」とドラミングが聞こえてきました。かなり近いようです。
その後私たちの頭上を青空をバックに幾度となく黒地に白の水玉模様が飛びました。
前回名護岳でノグチゲラを確認したのが2013年9月28日でしたので、実に9年ぶりの確認となりました。
また前回確認したのは若いオスの個体だったと記憶していますが、今回確認できたのは成鳥のメスだったことから
今後の名護岳での繁殖に期待も高まってきました。

2022年9月24日 アカハラダカ 幼鳥
9月24日。この日は雨雲が多くまた風も弱かったため、行ったり来たりする個体が多く、
飛去数も98羽に止まりました。

2022年9月24日 アカハラダカ 幼鳥
それでも近くを飛ぶ個体もあり、そこそこ楽しい観察となりました。

2022年9月24日 アカハラダカ 幼鳥
また、この日は早朝にノグチゲラの鳴き声も聞こえました。
早朝に確認できたということは、名護岳にこの個体の寝ぐらがあるのかもしれません。

2022年9月24日 アカハラダカ 幼鳥
例年と比べてアカハラダカの飛来数は伸びていませんが、
今年の観察は時々ノグチゲラのドラミングも聞こえてくるので、楽しみが2倍になりました。
さて、沖縄海域は海水温が高く、また台風は平均25個発生するようなので、この後も10個ほどの台風が発生するはずです。
大雨が降ると土砂崩れが起き、名護岳線が通行止めになることもあるので、
なんとか観察が終わるまで台風が接近しないよう祈るばかりです。
2022年(Autumn)秋期 名護岳タカの渡り調査記録
- 2022/09/24(土) 18:37:04|
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イルカンダの花
この春も例年通りタカの渡りの観測を実施しましたが、
カウント数は伸びませんでした。

カウント数が伸びなかった要因は、タカの渡りのピーク時期に当たる3月下旬から4月にかけて雨天が続き、
観測が実施できない状況が続いたためです。
具体的には、3月22、23、26、27、28、30、31日、4月2、3日などが、天候により観測が実施できませんでした。

リュウキュウウマノスズクサの花
参考までに名護岳における過去(春期)のサシバの渡りのピークは以下の通りです。
2021年 3月20日 234羽
2020年 3月25日 289羽
2020年 3月21日 231羽
2019年 3月27日 210羽
2018年 3月19日 280羽
2017年 3月26日 108羽
2016年 3月29日 46羽
2015年 3月30日 133羽

3月10日 ハイタカ オス
このように名護岳では渡りのピークの時期に観測が実施できなかったのですが、
北部の国頭村奥でサシバの渡りを観察した貴重な情報をいただきました。
情報を提供していただいた大浦さんは、4月2、3、4日の午前中に国頭村奥で、
以下の通り北上するサシバをカウントしました。
4月2日 478羽(9:000-11:30)
4月3日 316羽(7:00-8:00)
4月4日 61羽 (7:00-10:00)
計 855羽

3月10日 サシバ オス
4月4日は快晴だったため名護岳でも観測を実施し、141羽のサシバをカウントしましたが、
名護岳で観測ができなかった4月2、3日は、奥では雨が止んだわずかな時間にサシバは飛去したそうです。
この奥での記録は、おそらく前日までにヤンバル入りし雨で足止めされていたサシバが、
雨が止んだわずかな時間に、北を目指して飛去したものではないかと推測しています。

4月4日 サシバ 若鳥
名護岳では春期の観測を毎年1カ月強実施してきましたが、サシバの飛去数が700羽を超えたことがなく、
今回国頭村奥で3日間のみの観察で855羽を記録したことは、大変興味深いデータとなりました。
今回の記録は、沖縄島の北端に位置する国頭村奥周辺は、春に北上するサシバが、島渡りをする前に集結するエリアであると、
またヤンバルを中継するサシバが北上する際の経路となっていることを示唆するものと言えそうです。

3月19日 オオシマカクムネベニボタル
さて、この春は写真のオオシマカクムネベニボタルもあまり見ることができませんでした。

3月19日 オオシマカクムネベニボタルの交尾
そもそも雨が多く、観察する機会も少なかったこともありますが、
雨の上がった日でも、その姿を目にすることは少ない状況でした。

オキナワカラスアゲハ オス

4月5日 アマツバメ

4月5日 アマツバメ

4月6日 リュウキュウツミ メス

4月7日 サシバ オス

4月18日 アカハラダカ メス
名護岳では春にアカハラダカの渡りをごく少数確認していますが、
今年の2月に宮古島で越冬するアカハラダカの存在を知り、この3月にも名護でアカハラダカの渡りが観察されたことから、
3月頃に沖縄島を北上するアカハラダカは、サシバとともに宮古・八重山あたりで越冬した個体ではないかと推測しています。
また4月の中旬頃からフィリピンから台湾を経由し中国大陸を北上するアカハラダカが確認されていますが、
4月の18日に確認された写真のアカハラダカなど4月の中旬以降に沖縄島を通過するアカハラダカは、
フィリピンあたりで越冬した個体ではないかと推測しています。

4月14日 オキナワルリチラシ
この春は発生が少ない昆虫がある一方で、例年通り発生する昆虫もいました。
オキナワルリチラシは4月の中頃から確認できる昆虫ですが、今年も例年通り多数確認できました。

4月25日 アサギマダラ
結局4月の後半も天候は優れずサシバのカウントは伸びませんでしたが、
観測日数が少なかった割にはアサギマダラの渡りはそこそこ確認できました。
そのため観測後の帰路の途中に、林道脇のヒヨドリソウに止まり吸蜜する個体も度々確認できました。

4月24日 ツマムラサキマダラ
ヒヨドリソウはアサギマダラ以外に写真のツマムラサキマダラにも人気で、
同じ株によく集まっていました。

4月26日 ヒヨドリソウに群がるマダラチョウの仲間
ただこのポイントのヒヨドリソウの開花率が悪く、この日も開花した一房の花に
ツマムラサキマダラのオス2頭、メス1頭、アサギマダラのオス1頭の計4頭がぶら下がる超過密状態でした。
株数の減少や開花率が悪かったのは、1月に行われた草刈りが要因かもしれません。
2022年(Spring)春期 名護岳タカの渡り調査記録
- 2022/04/29(金) 16:22:16|
- タカの渡り
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