名護・自然観察日記

名護で出会った生きものを中心に紹介します。

サバニの制作 その12

2月14日 スクジー(船底)その6

170214スクジー制作69

竹クギは打ち終えると、余分な部分はすぐに切り落とされました。







170214スクジー制作70

そして休む間もなく、次のフンドウの作業に取りかかります。







170216スクジー制作77

はじめにフンドウを部材の継ぎ目に当て、鉛筆で輪郭を罫書きます。
基本的にはフンドウのくびれ部分を継ぎ目に当てますが、写真の部分のように部材にフンドウが入る厚みがない場合は、
フンドウをずらして入れていました。





170216スクジー制作76

次に罫書いた線を目安にノミを入れ穴を彫り、







170215スクジー制作72

穴を彫り終えたら、フンドウ側の面を取り、
防腐効果のあるサバアンダー(サメの油)を付けて穴に当て軽くたたき入れ、






170215スクジー制作73

最後にフンドウに当て木を当てて、フンドウが穴の底に着くまでしっかりたたき入れます。







170215スクジー制作74

角部分は少し厚めのフンドウを入れます。







170214スクジー制作71

フンドウが切り落とされる前の様子は、竹クギの時と同じように彫刻作品のようにも見えます。








170216スクジー制作75









170216スクジー制作78

フンドウを切り落としたらサンダーで表面を整え、







170216スクジー制作79

外側の面が整ったところで、ようやくサバニをひっくり返しました。
ここまで来ると、海に浮かべた時の様子も目に浮かびますね。






170216スクジー制作80









170217スクジー制作83

ここからスクジーの内側の削り作業に入りました。







170217スクジー制作82

それと同時にヒーサキ(船首)部分のトウイシ造りにも取りかかりました。







170218トゥイシ制作2









170217スクジー制作84

これからしばらく腰に負担の掛かる作業が続きます。







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  1. 2017/02/20(月) 07:56:18|
  2. サバニ
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サバニの制作 その11

2月9日 スクジー(船底)その5

170209スクジー制作54

スクジー(船底)の接着剤も硬化したところで、カスガイを外し、最後の成形に取り掛かりました。







170209スクジー制作54_1

ちょうどその時、稲嶺名護市長が忙しいスケジュールの合間を縫って、見学にいらっしゃいました。







170209スクジー制作54_2

稲嶺さんによると、ご自身が生まれ育った名護市三原の隣りカヌチャの部落に、糸満から移り住んだ海人がおり、
幼少の頃彼らのサバニに乗せてもらったのが、ご自身のサバニ初体験だそうです。

今回おそらく60年ぶりとなる、名護でのサバニ制作に、感銘を受けておられるご様子でした。




170211スクジー制作57

スクジーの仕上は、左右対象になるよう、細かく計測しながら進めました。







170210スクジー制作55

スクジーで最も隆起するキール部分と、その隆起が終わるスクジー中央付近との高低差は、
本ハギサバニを造る上で特に重要視される寸法で、基準となる数値は「五分むすび」と呼ばれています。

糸満で造られる本ハギサバニは、キール部分の後方を五分(一分=約3.03mm×5=15.15mm)ほど削って五分むすびを造るそうですが、
今回のサバニはスクジーの制作方法によって、高低差は既に六分三厘ありました。
この後、トゥムングヮー側のスクジーを削り、寸法を調整しました。


170210スクジー制作56

キール付近は小鉋でこりこり削りました。







170213スクジー制作58

わずかに反り返っているヒーングヮーは、さらに小さな反り台鉋で削りました。







170213スクジー制作59

キール付近は、美しい本ハギサバニの中でも特に美しい部分だと思います。







170214スクジー制作60

成形がほぼ終わったところで、竹クギの作業に入りました。







170214スクジー制作61

ツバノミで下穴を開け、







170214スクジー制作63

竹クギを打ち込みます。







170214スクジー制作67

部材と部材を縫い合わせるように交互に。






170214スクジー制作65

細いヒーングヮーは上から、








170214スクジー制作68

竹クギ作業はサバニ制作行程の中でも特に興味深い風景を造り出しますが、
この風景が眺められたのは、ほんのわずかな時間だけでした。

※ 作業について正確に聞き取れていない部分もあると思いますので、間違いがありましたらご指摘ください。






  1. 2017/02/16(木) 09:45:48|
  2. サバニ
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サバニの制作 その10

2月4日 スクジー(船底)その4

170202スクジー制作39

スクジー(船底)の中央部分と角に続いて、
ヒーサキ(船首)側のヒーングヮーと、トゥム(船尾)側のトゥムングヮーの作業に取りかかりました。






170202スクジー制作41

こちらがヒーサキ(船首)側のヒーングヮー、







170202スクジー制作40

そしてこちらがトゥム(船尾)側のトゥムングヮーです。







170206スクジー制作46

作業に必要な線はこの墨壷で引きますが、長い線も一機に引けるとても便利な道具です。







170202スクジー制作43

合わせ面はノコやノミ、







170206スクジー制作49

そしてヤスリで成形しました。







170204スクジー制作45

合わせ面をV字にすることで、サバニが波にもまれた時でも、部材同士がずれることはありません。







170206スクジー制作47

合わせ面が粗方成形できたら、合わせノコを入れます。







170208スクジー制作53









170202スクジー制作42

ちょうどその頃、西表島から國岡恭子ちゃんが遊びにきました。
恭子ちゃんも白保のサバニ大工新城さんから学んだ、マコトの兄弟子です。

ここでもサバニ制作時の失敗談で盛り上がっていました。
失敗こそ学びの大きなチャンスです。二人とも沢山学んでいるようです。



170208スクジー制作50

ヒーングヮーとトゥムングヮーが仕上がったところで、接着し、カスガイで圧着しました。







170208スクジー制作51









170208スクジー制作52

接着剤が十分硬化するまでの間、次の行程で使用する竹クギ造りに励みます。
サバニ造りで手が止まることはありません。






  1. 2017/02/13(月) 07:44:45|
  2. サバニ
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サバニの制作 その8

1月26日 スクジー(船底)その2

170123スクジー制作15

板を剥いで造った直線的な舷側部分の横に、厚い部材から削り出された有機的な形状のスクジーが並び、
本ハギがマルキンニかと南洋ハギの中間に位置することがよく理解できます。






170123スクジー制作16

スクジーが粗方出来たら、舷側板に乗せ、







170123スクジー制作17

隙間を調整し、







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合わせノコを入れ、接合のための最後の行程に入りました。







170123スクジー制作18_2

ちょうどそこに、石垣島でサバニ大工をする吉田サバニ造船の吉田さんが遊びに来ました。
吉田さんもマコトと同じく白保の新城さんから学んだ、兄弟弟子。

苦労話しで話しが盛り上がっていました。




170123スクジー制作20

合わせのノコの作業を終えたところで、舷側板との接着に入りました。







170124スクジー制作21

舷側板とスクジーの間の隙間は、スクジーの材料を取った残りの材料を半分に分け、
左右の角に使います。






170124スクジー制作22

角の部材を乗せ、内側から墨を入れて、







170124スクジー制作23

接合面削り、







170124スクジー制作24

また乗せ、







170124スクジー制作25

合わせ作業はまだまだ続きます。







  1. 2017/02/06(月) 18:06:36|
  2. サバニ
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サバニの制作 その7

1月23日 スクジー(船底)

170123スクジー制作0

舷側板の作業を終え、次にスクジー(船底)の制作に入りました。







170123スクジー制作1

分厚い材料から、スクジーとその角に使う材料をチェーンソーで木取りします。







170123スクジー制作2

不慣れなチェーンソーの作業を見かねて、池田さんが色んな道具を貸してくれました。
イボイボの着いた軍手はチェーンソーの振動を軽減し、長時間の作業から手を守ってくれます。






170123スクジー制作3

チェーンソーの刃も、専用のヤスリで池田さん自ら目立ててくれました。
目立ては最低でも2時間おきに、また切れ味味が落ちたと感じた時に行なうものだそうです。






170123スクジー制作4

木取りが済んだら、電気カンナで荒削りし、







170123スクジー制作5









170123スクジー制作7

舷側板に乗せ、






170123スクジー制作7_1

接合面を成形します。

その後、「隙間を確認し作業台に下ろし削る」の作業をを繰り返します。





170123スクジー制作7_2

本ハギのサバニは、分厚い板からくり抜かれた船底と板材から造った舷側板とをハギ合わせる工法です。
この本ハギサバニが考案される以前は、アカギやリュウキュウマツの丸太をくり抜いて造る
マルキンニ(丸木舟)が主流でしたが、
中国との貿易で大きな進貢船を造るための木材を確保する必要があった琉球王府は、
大木を消費とするマルキンニの建造を規制する必要にせまられ、
1737年ハギ船の建造を推奨し、それを機に本ハギサバニが考案されたようです。


170123スクジー制作8

その後サバニは、サイパンに移住した沖縄人達によって、
太平洋戦争直前の少ない物資の状況下で和船造りを参考に、
船底も板材で造る南洋ハギが考案されました。





170123スクジー制作9

そんな本ハギサバニは、マルキンニの血を受け継いだハギ船であることが、
このスクジーを見ると良く分かりますね。






170123スクジー制作10

スクジーの内側の荒削りが済んだら、板をひっくり返し表側をチェーンソーで落とします。







170123スクジー制作11

そしてまた舷側板乗せ、







170123スクジー制作12

もぐり込んで、内側からも隙間を確認します。







170123スクジー制作13








  1. 2017/02/04(土) 08:24:26|
  2. サバニ
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Author:細川太郎
名護に住み、身近な自然のすばらしさに日々感謝しています。宝物は意外と自分の足下にあるものです。

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