名護・自然観察日記

名護で出会った生きものを中心に紹介します。

2015年 リュウキュウアカショウビン その1

1505026リュウキュウアカショウビン2

今年もリュウキュウアカショウビンの観察を行なっています。

当初は昨年観察していた営巣木を今年も期待していたのですが、こともあろうにその木が3月に伐採されてしまい
やむを得ず他の営巣木を探したところ、今回の場所を見つけました。





1505026リュウキュウアカショウビン1

この場所では5月の頭に巣穴を出入りする行動を確認し、現在はおそらく抱卵中ではないかと思われます。
ヒナの巣立ちまで見届けたいので、控えめに静かな観察を心がけています。

ところで、今年の沖縄島は雨が非常に少なく、梅雨入りも平年が5月9日であるのに対し、今年は11日遅い5月20日でした。
そのためダムの貯水率も50%まで下がり、先日の雨でようやく58.3%まで回復したところでしたが、再び梅雨前線が南下してしまい、今日も天気が良くなってしまいました。

降れば降ったでうっとしい雨ですが、然るべき時期には降ってもらわないと、自然も人間も困りますね。
おそらくアカショウビンも同じ気持ちなのではないでしょうか。




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  1. 2015/05/26(火) 12:42:11|
  2. リュウキュウアカショウビン
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ジュゴンの海 その2

150509食み跡調査1
(2015年5月9日、ジュゴンの食み跡にカメラを近づける調査員)

去る5月9日、大浦湾でジュゴンの食み跡調査を行ないました。
今回の調査は、北限のジュゴン調査チーム・ザン、ダイビングチームレインボー、ジュゴンネットワーク沖縄による合同調査です。
調査地は先月4月15日に35本以上の食み跡を確認したチリビシ沖水深19〜20mのポイントです。


150509食み跡調査2
(2015年5月9日、今回は鮮明な食み跡は少なかった)

このポイントでの食み跡の確認は、2013年3月28日、2015年4月15に続き3度目で、今回は新たに8本の食み跡が確認できました。

ところで沖縄の海草の多くは水深4mより浅い海に生えていますが、なぜジュゴンは効率の悪い深い場所で海草を食べているのでしょうか。
現在大浦湾では普天間飛行場代替施設建設に伴うボーリング調査、大型コンクリートブロックの投下、
長大なブイの設置やおびただしい数の船舶の航行があり、以前のように浅場で海草の採餌ができなくなったという事実はあります。
しかし、2013年3月に19.6mの深場で食み跡が確認された当時は、同じ時期にキャンプシュワブ東の美謝川河口地先の浅場でも食み跡が確認されており、
浅場での採餌が可能な時でさえ、わざわざ深場の海草を食べていたことがわかっています。
ちなみに池田和子さんの著書「ジュゴン」によると、オーストラリアのジュゴンの潜水時間は平均2.7分、また潜水深度の約72%が3m以浅だそうです。


150509食み跡調査3
(2015年5月9日、比較的分かりやすい食み跡)

その理由について、沖縄のジュゴンは深場で餌を摂らなければ生き残れない事情があったからだと私は考えています。
ジュゴンの体重は250〜400kgで、一日に体重のおよそ8%の海草を摂る必要があり、
大量の海草を摂るのために一日8時間以上を採餌に費やすといわれています。



150509食み跡調査4
(2015年5月9日、同じ食み跡を別の角度から)

オーストラリアのようにジュゴン保護区が設けられた場所では、日中安心して浅いイノーで多くの時間を採餌に費やすことができます。
一方人間活動が盛んで保護区もない沖縄では、ジュゴンは人間活動の少ない夜間に浅いイノーへ入り採餌すると考えられ、
人間活動が盛んな日中はイノーの中で採餌する姿は殆ど確認されていません。
ところが海では一日に二回潮が引き、夜間十分に海草が食べられない時期があります。
そんな時沖縄のジュゴンは日中今回のポイントのような深い場所で餌を摂っているのではないかと考えています。


150509食み跡調査5
(2015年5月9日)

これは今回食み跡が確認されたトゲウミヒルモの海草藻場です。





150509食み跡調査6
(2015年5月9日)

5〜7月に開花結実するといわれており、二枚の葉の根元につぼみも確認できます。
海水に入れておかなかったので、元気がなくなった状態です。




150509食み跡調査7
(2015年5月9日)

写真のように葉の表面に毛が生えていることから、トゲウミヒルモと名付けられました。
トゲウミヒルモは沖縄に分布するウミヒルモ属の中ではもっとも水深の深い場所に適応した仲間です。
日本海草図譜によると「水深15〜18mの珊瑚砂の海底に生える」とありますが、
環境省の調査では名護湾の水深34mの場所でウミヒルモ属の確認があり(環境省2004)
おそらくこのトゲウミヒルモではないかと思われます。

世界のジュゴン分布域の中でも人間活動が盛んな沖縄島に、現在までジュゴンが生き残れたのは、
沖縄の海にこのトゲウミヒルモが分布していたことも、要因の一つかもしれません。



  1. 2015/05/11(月) 16:11:10|
  2. ジュゴンの食み跡
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アサギマダラ

150416アサギマダラ1

名護岳山頂でのタカの渡り調査では、タカ以外にアマツバメの仲間やツバメの仲間とともにアサギマダラの渡りも観察出来ます。

今回の調査でも期間中74頭のアサギマダラが狭い山頂上空を通過して行きました。




150427アサギマダラ

アサギマダラは春と秋に長距離を移動することが知られていますが、ウィキペディアによると
2011年秋に和歌山県でマーキングされた個体が約2.500km離れた香港で捕獲されたそうです。

想像をはるかに超える能力ですね。




150427アサギマダラ2

そんな桁外れの能力の持ち主でもあるアサギマダラの滑空する姿を、たまたま写真に納めることができました。

見ると後翅を下から腹部に添わせ、垂直尾翼のようなかたちを作っていました。
おそらく垂直尾翼同様、進行方向を安定させるはたらきがあるのではないでしょうか。





  1. 2015/05/04(月) 15:37:01|
  2. アサギマダラ
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2015年春期タカの渡り調査 その3

150427ヒメアマツバメ4

台湾南部の墾丁では4月の後半から毎日のように千羽を超えるアカハラダカの群れが確認されているので、
南西諸島がアカハラダカの春の渡りルートに入っていないと分かりつつも、かすかな期待を胸に山頂へと足を運んできましたが、
やはりアカハラダカは現れませんでした。

2015(Spring)墾丁過境猛禽調查全季統計表

そこで2015年春期のタカの渡り調査は、本日5月2日で終了することにしました。


150424ツバメ

この春、名護岳で最後に渡りのタカを確認したのは、4月26日のサシバでした。
その後はヒメアマツバメ(写真、上)を確認し、調査最終日まで姿を見せたのはツバメ(写真、下)でした。


春季の記録をつけるのは、2014年に続き今回で2回目です。
名護の春季のタカの渡りについて語るにはまだまだデータが少ないので、特にまとめることはしませんが、
近年のデータを比較すると以下のようになります。

名護岳     2015年春   2014年秋   2014年春   2013年秋
   
サシバ     336      3851     325      3247
アカハラダカ   0      1970       0      4991

データを見る限り名護岳(南西諸島)はアカハラダカが南下する秋のルートに入っていましたが、
北上する春のルートには入っていないことがあらためて確認できました。

一方サシバは南下・北上とも渡りルートに名護岳(南西諸島)が入っていましたが、渡り数が春と秋で違うのはなぜでしょう。
この調査は出勤前の限られた時間で行なっているので、調査時間以外の時間帯に渡っている可能性も十分考えられます。
実際秋は、6〜7時台に大きな群れが出現するのに対して、春は9時台に多く現れました。
出現する時間帯の違いはサシバが飛び立つ場所から名護岳までの距離の違いにあると考えられます。
秋はサシバが名護岳周辺ややんばるから飛び立つため、6〜7時台に名護岳を通過するのに対して、
春は慶良間諸島、粟国島や久米島辺りから飛び立ったサシバが9時台前後に名護岳を通過するのではないでしょうか。

ところでこの春はトカラ列島の中之島でもカウントが行なわれ、サシバ6731羽が記録されました。
6731羽は名護岳のおよそ20倍にあたりますが、この差は調査時間の長さの違い以外に渡りルート上における島の位置が関係しているようです。
つまり中之島があるトカラ列島は、タカの進行方向に向かって島が一列に位置するため渡りをするタカが集中するのに対し、
名護岳のある沖縄島周辺には離島が点在し、また沖縄島自体が比較的大きいため、渡りをするタカも分散するのでしょう。

いずれにしても沖縄島を通過するタカの情報は少なく(私が知らないだけかもしれませんが)、
分からないことが多い分、自分で発見する楽しみもあります。
そんな私は、既に秋の渡りに期待しているところです。

2015年(Spring)春期 名護岳タカの渡り調査記録





  1. 2015/05/02(土) 18:25:36|
  2. タカの渡り
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プロフィール

細川太郎

Author:細川太郎
名護に住み、身近な自然のすばらしさに日々感謝しています。宝物は意外と自分の足下にあるものです。

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