名護・自然観察日記

名護で出会った生きものを中心に紹介します。

名護のタカ渡り調査の反省会・情報交換会 のお知らせ

直前のご案内ですみません。

名護のタカ渡り調査の反省会・情報交換会を下記の日程で行うこととなりましたので、お知らせします。
なお調査に参加されていない方でも参加できますので、興味のある方は是非ご参加下さい。

日時:12月2日(金) 19~20時
場所:名護博物館
内容:名護岳および嘉津宇岳の調査結果概要をスライド等(写真多め)で振り返り、情報共有した後、意見交換、情報交換等を行います。


当日はサシバの飛去時間帯についても意見交換したいと思い、以下の時間帯別飛去数の積み上げグラフを準備しました。

2015、2016年秋期名護岳サシバ時間帯別飛去数
(※6:00〜14:00時の間を30分毎にまとめたグラフですが、日によっては調査を行っていない時間帯もあります。)
なお比較のため2015年のデータも並べました。


グラフにはいくつか山がありますが、それぞれの山は主に飛来地の違いを現しています。


2015年の3日間は、みごとに二つの山に分かれています。
6時台の山は、前日までに名護・やんばる入した群れが飛去した数を現しています。
10時30分ころにはさらに高い山がありますが、サシバの移動速度は平均時速40kmと言われており、
この群れが同じ時間帯に飛び立ったと仮定すると、およそ4時間前に40kmの速度で移動したことになるので、
約160km離れた徳之島あたりから飛来した群れだと考えられます。


これに対して2016年は、10月19日は2015年のパターンに似ていたものの、
その他は8:30〜9:00ころにピークを迎え、11時台の山もやや低いものでした。
8:30〜9:00ころの群れは名護・やんばるから飛び立った群れと考えられ、
今年はやんばるを中継地としたサシバが、例年と比べて多かたのかもしれません。
これらのピークの違いは、当日の天候はもちろん、前日、前々日の天候の影響によるものと考えられます。



サシバ移動距離

なお、サシバの一日の移動距離は平均480km前後(ウィキペディアより)と言われており、
徳之島を飛び立ったサシバは、その日のうちに宮古島、伊良部島に到達すると言われていますが、
名護・やんばるを飛び立ったサシバに同じ移動距離を当てはめると、その日のうちに八重山諸島に到達することが分かります。


調査の時は、毎回佐多岬のある九州南部や徳之島周辺の天気も見ながら、サシバの飛来を予測していますが、
予測通り来ないところが、タカの渡りをより魅力的にしているのだと理解しています。




161129サシバメス成鳥1
                                                2016年11月29日 サシバメス成鳥
さてそんなサシバですが、とぎれとぎれで数もとても少なくなったものの、まだ渡りは続いています。
11月29日は、単独のサシバ成鳥と、3羽の群れが飛去しました。






161129サシバメス成鳥2
                                                2016年11月29日 サシバメス成鳥
渡りの後半は幼鳥が多かったので、成鳥の渡りを見るのは久しぶりです。







161129ハイタカメス幼鳥1
                                               2016年11月29日 ハイタカメス幼鳥
ハイタカが比較的頻繁に確認できるのも今年の特徴かもしれません。







161129ハイタカメス幼鳥3
                                               2016年11月29日 ハイタカメス幼鳥
ハイタカのメスの幼鳥は同じ個体を今期何度か確認していますが、
この個体は羽の模様から別の個体であることが確認できました。






161129ハイタカメス幼鳥2
                                               2016年11月29日 ハイタカメス幼鳥
こんなにかわいい顔でにらまれると・・・てれる。







161129ハイタカメス幼鳥4
                                               2016年11月29日 ハイタカメス幼鳥
しばらく留まってくれることを祈るばかりです。





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  1. 2016/11/30(水) 17:52:11|
  2. ハイタカ
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2016年 名護岳 秋期タカの渡り調査 おまけ−その1

161118ハイタカメス幼鳥1
                                               2016年11月18日 ハイタカメス幼鳥
最近姿を見せるハイタカメス幼鳥です。







161118ハイタカメス幼鳥2
                                               2016年11月18日 ハイタカメス幼鳥
何時までいてくれるのか分かりませんが、しばらくいてくれることを期待しています。







161125ハイタカメス×カラス1
                                     2016年11月25日 ハイタカ×リュウキュウハシブトガラス
そんな、よそ者(渡り鳥)であるハイタカは、留鳥のリュウキュウハシブトガラスから
しばしばモビング(擬攻撃)を受けていますが、






161125ハイタカメス×カラス2
                                     2016年11月25日 ハイタカ×リュウキュウハシブトガラス
普段から鳥を襲っているハイタカですから、あっさり反撃しています。







161125ハイタカメス×カラス3
                                     2016年11月25日 ハイタカ×リュウキュウハシブトガラス
両性爬虫類や昆虫、ネズミなどの小動物を獲物とするサシバが、カラスにほぼやられっぱなしなのと比べると、
同じタカの仲間でも、食性が違うと性格も随分違うようです。







161125ハイタカメス×カラス4
                                     2016年11月25日 ハイタカ×リュウキュウハシブトガラス








161125サシバ群れ
                                                  2016年11月25日 サシバ群れ
23、24日と雨が2日続いた翌日、久しぶりの晴れ間を待っていたかのように、
6羽のサシバが群れで現れ南に飛去し、その後を追うように続けて2羽が飛去しました。






161126鳥の羽
                                              2016年11月26日 散乱していた鳥の羽
翌日の26日の朝、観察場所へ着くと辺りに鳥の羽が散乱していました。
どうやらここで襲われたようです。
被害者は最近渡って来ているシロハラかマミチャジナイでしょうか?
被害者は後で調べるとして、さて襲ったのは誰でしょう?




161126ハイタカメス幼鳥1
                                               2016年11月26日 ハイタカメス幼鳥
最初に現れた容疑者は、ハイタカメス幼鳥でした。
最近リュウキュウハシブトガラスと戦っている強者です。






161126ハイタカオス幼鳥
                                               2016年11月26日 ハイタカオス幼鳥
次に姿を見せたのは、ハイタカオス幼鳥でした。
ハイタカのメスと比べると体は二周りほど小さく、ツミと見間違えるくらいの小物ですが、
捕獲能力は高いと思われます。





161126ハイタカメス1
                                                 2016年11月26日 ハイタカメス
そして次に現れたのは、ハイタカメス成鳥でした。
経験も豊富で有力な捕食者です。






161126ハヤブサ幼鳥
                                                 2016年11月26日 ハヤブサ幼鳥
このほか本日はハヤブサ幼鳥も現れ、どの個体にも可能性がありそうですが・・・
真相やいかに?





  1. 2016/11/27(日) 09:27:59|
  2. ハイタカ
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2016年 名護岳 秋期タカの渡り調査 その8

161114スーパームーン
                                                2016年11月14日 スーパームーン
11月14日夜、この日は楕円軌道で地球の周りを回る月が、地球に最も近づく日。
それも68年ぶりの大接近だそうです。
次の大接近の時はおそらく私は生きていないはずなので、この大きなお月様を撮影してみました。

ご覧の通り名護で観るスーパームーンは、なかなか上等でした。



161116サシバ幼鳥1
                                                  2016年11月16日 サシバ幼鳥
さて、11月も半ばを過ぎましたが、タカの観察は継続しています。
とは言うものの現在渡りをするタカの数は非常に少なく、タカの姿を確認できない日も。

そんな昨日(16日)、久しぶりにサシバが二羽北風に乗って飛去しました。




161116サシバ幼鳥2
                                                  2016年11月16日 サシバ幼鳥
サシバは二羽とも幼鳥で、はじめに一羽が高く上がり、鳴きながら一緒に南下する仲間を呼びました。
しばらくするとその誘いに応えるようにもう一羽が高く上がり、風速4mの北風に乗って南の空に消えました。






161116ハヤブサ幼鳥1
                                                 2016年11月16日 ハヤブサ幼鳥
サシバが去った後、今度はハヤブサが上がって来ました。







161116ハヤブサ幼鳥2
                                                 2016年11月16日 ハヤブサ幼鳥
こちらも幼鳥で、翼に北風を受けて上昇し、






161116ハヤブサ幼鳥3
                                                 2016年11月16日 ハヤブサ幼鳥
南に向きを変えて、サシバを追いかけるように飛び去って行きました。







161116十六夜2
                                                  2016年11月16日 十六夜の月
ハヤブサが去った空には、まだまだ大きな十六夜の月が西の海に沈もうとしていました。






161117ハイタカメス1
                                                 2016年11月17日 ハイタカメス
そして本日(17日)、大好きなハイタカが姿を見せました。







161117ハイタカメス2
                                                 2016年11月17日 ハイタカメス
このメスは体が大きかく、始めオオタカかと間違えそうなくらいでした。







161117ハイタカメス3
                                                 2016年11月17日 ハイタカメス
北に向かって飛んで行ったので、越冬組かもしれません。
しばらくいてくれるとうれしいのですが、寒くなったら南下するするかもしれませんね。






161117月
                                                  2016年11月17日 17番目の月
月は徐々に欠けて来ましたが、どの月もみな魅力的ですね。










  1. 2016/11/17(木) 12:28:20|
  2. ハイタカ
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2016年秋期 アカハラダカ・サシバの渡り まとめ

161106サシバ幼鳥
                                                   2016年11月6日 サシバ幼鳥
さて、タカの観察はまだ継続していますが、アカハラダカとサシバの渡りもほぼ終了したので、
2016年秋期のアカハラダカとサシバの渡りをまとめてみました。


まず名護博物館のブログ「日々なごはく。」に、2016年秋のアカハラダカ・サシバ渡り調査の中間報告がアップされましたので、
是非ご確認下さい。  →  日々なごはく。

この中間報告にもあるように、今年の名護岳におけるアカハラダカとサシバのの飛去数は 過去最高を記録しました。
また、同時に行なった嘉津宇岳の飛去数を加えた名護の飛去数も過去最高となりました。

アカハラダカ名護経年変化




● アカハラダカ
名護ではアカハラダカの飛去数が過去最高を記録しましたが、アカハラダカをカウントする他の観察地の記録は以下の結果となりました。

長崎県対馬内山峠  44,533    
長崎県 烏帽子岳  19,790    
鹿児島県奄美大島   6,401    
沖縄県名護岳    15,877    
台湾墾丁      127,495    

名護の記録を見る限りアカハラダカの個体数は増えたように見えますが、
名護はアカハラダカの経由地の一つにすぎず、個体数を分析する地域としては適当ではありません。
そこで、アカハラダカの最大の中継地である長崎県対馬内山峠と、
ユーラシア大陸東部で繁殖する個体群も合流する台湾墾丁の飛去数の経年変化を見ると、以下のようになります。

アカハラダカ経年変化

近年の数値を比較すると増えた年も減った年もありますが、2004年と2016年の数値を比較すると、
この12年間に個体数が激減したのが分かります。



● サシバ
サシバもアカハラダカ同様、名護は経由地の一つにすぎず、個体数を分析する地域としては適当ではありません。
そこで記録が公表されている国内最大の中継地である宮崎県金御岳と沖縄県宮古島、
およびユーラシア大陸東部で繁殖する個体群も合流する台湾墾丁の経年変化を見ると、以下のようになります。

サシバ経年変化

台湾墾丁の数値はやや右上がりで個体数が増えたように見えます。また、宮崎県金御岳の数値を見ると個体数に大きな変化は見られません。
しかし、宮古島の野鳥HPによると、宮古島(伊良部と平良の合計)における過去の記録は、1980年に54,000羽、
1985年に47,000羽であることから、日本で繁殖する個体群は過去30年間に激減したことが伺えます。



● 名護岳の分析結果
タカの渡りは天候に大きく左右されます。そこで今回の調査期間中(9月8日〜10月31日)の天候を振り返ると、

・北風の吹き始めが例年より遅かった。
・沖縄島の台風の通過は無かったが、沖縄島の南の海上を西に進んだ台風14号、17号、
 時計回りに沖縄島の周りを遠巻きに移動し、風の影響を長期間及ぼした台風16号。
 沖縄島をかすめ西の海上を通った台風18号などの影響を受けた。
・10月10日前後に奄美・沖縄地方で前線が停滞した。
・10月13日から北風が吹き始め、雨も少なかった。

その結果、全体として
・北風の吹き始めは遅かったが、10月後半から北寄りの渡りに適した天候が続いたため、
 アカハラダカとサシバの渡り始めは遅く、渡りの終了は早かった。
・台風の風の影響は多かったが、雨で観察できない日は比較的少なかったため、カウント数が伸びたのではないか。

アカハラダカ
・渡りの前半は雲の量が多く、風向きなど渡りに適した天候の日が少なかったため、アカハラダカは一気に渡れず移動に時間が掛かた分、
 観察者の目に触れる機会が増え、カウント数が増えたのではないか。
・名護岳の飛去数が嘉津宇岳と比べ多かった要因は、風向が東寄りの日が多く、アカハラダカの進路が東寄りになったためではないか。

サシバ
・例年と比べ飛去数が増えたのは、観察時間帯を昼ころまで伸ばした日を設けた結果であり、調査時間の変更による影響が考えられる。



アカハラダカにとって名護は経由地の一つにすぎません。
またサシバにとっては、経由地の一つであり一部の個体の越冬地です。
タカを含む旅鳥にとって経由地は、ほんの一時を過ごす場所ですが、繁殖地と越冬地をむすぶ重要な場所でもあります。
経由地に求められる環境は、水や餌が確保できるか、安全に休める森や草原、湿地があるかなどなど。
繁殖地、越冬地、経由地は、それぞれ地元が守って行く他ないのですから、
アカハラダカやサシバがこれ以上減らないよう、地元名護の環境を守りたいと改めて思いました。



※ 各地のデータは以下のサイトから引用しました。 ありがとうございました。

対馬野鳥の会 アカハラダカ秋の渡り
長崎秋期タカの渡り速報20116
群島鳥類研究会 アカハラダカ調査2016
2016年(Autumn)秋期 名護岳タカの渡り調査記録
宮古島の野鳥
台湾猛禽研究会




  1. 2016/11/11(金) 10:54:08|
  2. タカの渡り
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プロフィール

細川太郎

Author:細川太郎
名護に住み、身近な自然のすばらしさに日々感謝しています。宝物は意外と自分の足下にあるものです。

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