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名護・自然観察日記

名護で出会った生きものを中心に紹介します。

第2回ジュゴンに関する国際シンポジウムin鳥羽

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2月22、23日と鳥羽水族館から招待を頂き、
「第2回ジュゴンに関する国際シンポジウムin鳥羽」に参加してきました。






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オーストラリアからは、IUCNサイレニア・グループの議長であるヘレン・マーシュ教授をお招きし、
基調講演として、世界のジュゴンの包括的なお話を頂きました。

マーシュ教授は、気候変動などの科学的な課題だけでなく、貧困など社会的な問題にも取り組まなければ
100年以内にジュゴンは絶滅すると、警告しました。



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基調講演の座長は粕谷俊雄先生。
お二方とも20年前から親しくして頂いている私の恩師です。






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セッション1、2では、各国におけるジュゴンの現状と保護活動と題して、フィリピン、タイ、マレーシア、日本から報告。
私は日本のジュゴンを担当し「沖縄のジュゴン 沖縄貝塚時代から現在まで」と題し、沖縄のジュゴンの現状を報告しました。

マーシュ教授の基調講演を含め、全体的にはトレス海峡のジュゴン以外はあまり良いニュースは無い印象でした。

その後、セッション3では各国におけるジュゴンの研究報告。
市川光太郎さんのジュゴンの音響学的研究では、鳴音の調査からジュゴンが朝夕により活動的になると報告されましたが、
それに対して粕谷さんから、ジュゴンの日周活動は既に人間活動の影響を受けている可能性が指摘されました。

セッション4では鳥羽水族館におけるセレナに関する研究報告が行われました。


180221ジュゴンシンポ2

今回はもちろんジュゴン水槽のバックヤードも見学させて頂きました。

2011年2月に飼育記録31年目を迎えていたオスのジュゴンじゅんいちが死亡し
http://old.aquarium.co.jp/news/2011/jyunnitihuhou.html

その後鳥羽水族館から連絡が入り、メスのセレナも餌を食べなくなり、危険な状態なので海草を地下茎ごと送って欲しいと頼まれ、
沖縄の海草を送り、一命をとりとめたことがありました。

あの時ボウバアマモ送ってあげたのは私だよと、セレナに挨拶しました。


180221ジュゴンシンポ10

セレナのウンチも見せて頂きました。
沖縄でもフィールド調査時にジュゴンのものと思われるウンチを回収しているので、
海草の消化状態など同様のモノであることを確認しました。

なお現在鳥羽水族館では海草の他にロメインレタスを餌として使用しており
ロメインレタスを食べた後のウンチはバラバラになるそうです。


180221ジュゴンシンポ3

現在セレナの餌は、韓国産のアマモ、インドネシア産の複数の種類の海草
そして日本産のロメインレタスだそうです。
餌の調達先が複数あるのは、リスクを分散させるためです。

なおこの3種類の餌食物の中で野生のジュゴンが食べているものはインドネシア産の海草のみです。
アマモは温帯に生息し、ジュゴンは熱帯亜熱帯に生息しており、それぞれ生息域が異なるからです。


180221ジュゴンシンポ5

前回鳥羽水族館に訪れたのは23年前。その前年から沖縄に住みはじめ、細々とジュゴンの調査を行なっていたので
沖縄ではなかなか見られないジュゴンを目の前にし、水槽の前に釘付けになったのを今でもよく覚えています。






180221ジュゴンシンポ6

またセレナを見ていたら、彼女の本を2冊出版し、その後亡くなられた倉沢栄一さんのことを思い出しました。
・ジュゴンデータブック
・二十歳になったジュゴンのセレナ

ジュゴンデータブックを出版するため沖縄に訪れた倉沢さんをジュゴンの餌場に案内し、
その日はボロボロの我が家に泊まり、息子たちと遊び一緒に寝ていました。

ちなみにジュゴンデータブックの後ろの方に掲載されたジュゴン折り紙の折り手は
当時小学校2年生の私の息子でした、


180221ジュゴンシンポ27

話はそれてしまいましたが、シンポジウムの後は皆さんと共に食事をとり、
素敵な数日間を過ごさせて頂きました。

世界で唯一ジュゴンの長期飼育に成功している鳥羽水族館には、世界のジュゴンの広告塔になって頂き、
ここへこれば世界のジュゴンの現状がわかるような、ジュゴン情報センターの役割を担って頂きたいと思っています。

また同じフロアーには海草の水槽があるので、人間は海草藻場からいかに恩恵を受けているかなど、
さらなる展示の充実を行なって頂きたいと思っています。

最後にシンポジウムを主催して頂いた鳥羽水族館、三重大学大学院生物資源学研究科付属鯨類研究センター、
京都大学フィールド科学教育研究センターに、感謝を申し上げます。



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