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名護・自然観察日記

名護で出会った生きものを中心に紹介します。

2023年 名護岳 秋期タカの渡り調査   −まとめ −

231114朝景
                                                     2023年11月14日 朝景
11月14日
この日現れたのは越冬サシバのみ。
今期はハヤブサを見ていません。もう来ないのでしょうか?




231114サシバ幼鳥2
                                                  2023年11月14日 サシバ幼鳥







231114サシバ幼鳥3
                                                  2023年11月14日 サシバ幼鳥







231116朝景
                                2023年11月16日 朝景
11月16日
この日は7時前にハイタカを確認するも撮影できず。
観測はあと一週間ほど続ける予定ですがタカは非常に少ない状況です。




231116サシバ若鳥1
                                                  2023年11月16日 サシバ若鳥







231116サシバ2
                                                  2023年11月16日 サシバ若鳥







231120ハチクマ淡色型オス1
                                              2023年11月20日 ハチクマ淡色型オス
11月20日
タカの姿を見ない日が続きましたが、この日は待望のハチクマが現れました。
南東側の山の斜面からカラスに追われる形で眼下に現れ、色がサシバに似ていましたが頭が白っぽく小さい!
一旦山陰に隠れ、その後再び北東から現れると淡色型のハチクマとわかりました。




231120ハチクマ淡色型オス2
                                              2023年11月20日 ハチクマ淡色型オス
今回はCanon EOS R7 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMで撮影し
35mm換算で800mm相当の画角で捉えることができました。





231120ハチクマ淡色型オス3
                                              2023年11月20日 ハチクマ淡色型オス
R7はR6Ⅱと比べると高感度耐性が低く、AFがやや劣り、
ローリングシャッターひずみが酷く、シャッター音がうるさいなどマイナスポイントが多く、
今期タカの観測を始めた当初はR6Ⅱをメインで使う予定でしたが
タカを撮影するにはやはり500mmでは遠く、
APS-Cサイズという大きなメリットがあるR7を使うことにしました。


231120ハチクマ淡色型オス4
                                              2023年11月20日 ハチクマ淡色型オス
R7のデメリットの一つである高感度耐性の低さに関してはPhotoshopのCamera Rawの機能に新たに加わった
ノイズリダクションがそこそこ使えるので、気になっていたノイズもかなり低減できました。

無料お試し期間を利用してDxO PureRAW 3も試したところ、こちらの方がよりノイズ低減効果があるように感じましたが
新たに課金することをためらい、Camera Rawで対応しています。


231120ハチクマ淡色型オス5
                                              2023年11月20日 ハチクマ淡色型オス
結局使い続けることになったR7ですが、
使っているうちにR6Ⅱと比べると劣るAFについてもコツを掴み、R6Ⅱ並とは行かないまでも
それなりに克服した感じとなり、私の中ではR7はコスパの優れたカメラという評価になりました。




231120ハチクマ淡色型オス7
                                              2023年11月20日 ハチクマ淡色型オス







231120ハチクマ淡色型オス6
                                              2023年11月20日 ハチクマ淡色型オス







2023結果_気温

さて、今期の観測も11月23日でとりあえず終了したので、まとめを行いたいと思います。

今期は9月8日から観測を開始しましたが、この秋の天気は10月の一週目ころまでは気温が高く、
10月9日頃から北寄りの風が吹くようになり、それと同時に気温も一気に下がりました。

観測期間中は毎日朝8時の気温を記録しており、上のグラフでは朝8時の気温が25度を下回った日を赤い矢印で示しましたが
過去3年間の記録を比べても今年は気温が下がるタイミングが早かったことがわかります。


2023結果_雨

また10月は例年にないほど晴天に恵まれ、調査期間中に一度も台風が接近しなかったことも特徴の一つでした。
名護岳の過去の記録を見ると、気温が高い年はアカハラダカやサシバの渡りも遅くなる傾向が確認されていますが、
この秋もアカハラダカの渡りは遅れ、渡りのピークも10月7日と過去15年間で最も遅い記録となり、
アカハラダカの飛去数は過去最高の26354羽となりました。

一方サシバに関しては飛来先に当たる佐多岬周辺に居座っていた雨雲が10月10日にとれ、
そのころから北風が安定的に吹き、加えて10月後半から気温が下がり、
サシバの渡りは11月にずれ込むこともなく10月29日には終了しました。


年別データ

その結果アカハラダカとサシバの全体の渡りの期間は全体的にタイトになり、
また、サシバの渡り期間中に雨が降らず天候に恵まれたことで、サシバは名護やんばるに降りることがなかったようで
飛去数は3063羽にとどまりました。

上の年別データを見ると今期はアカハラダカの渡りのピークが10/07、サシバの渡りのピークが10/11と
2種のピークの間隔が4日と過去もっとも短く、これを見ても渡りの期間が短かったことが伺えます。

グラフは用意しませんでしたが、サシバの飛来時期に雨が少なかったことで、
サシバとともに渡ってくる他の猛禽類の飛来も少なかった一方で、稀に飛来が確認されるノスリと、
初記録となるチュウヒが確認できたことも今期の特徴でした。


2023嘉大調査結果1

ところで、こちらの右の図は台湾国立嘉義大学棲地生態研究室らのチームが、
朝鮮半島で繁殖したアカハラダカの移動経路を衛生発信機を使て調査した結果です。

今回はその速報の一部がfacebookにアップされたので、その情報をシェアさせていただきました。
調査の詳細が公開されているわけではなくアップされた画像とその説明文を見ながら、
私なりに解釈したものを掲載しましたので、不正確の部分があると思いますが、あらかじめご了承ください。

公開された情報を見ると2023年9月(日にちは不明)に韓国北部で捕獲した9個体(全てオス)に発信機をつけ、
そのうち1個体の発信機がその後脱落したようです。

発信機をつけた個体にはそれぞれユニークなニックネームがつけられ、
8個体は越冬地のフィリピンにに向かって各々のコースに分かれ南下し、
そのうちの1個体は台湾を経由、残りの7個体は南西諸島を経由し、うち5個体が沖縄島を経由したという
沖縄島でタカの渡りの観測を続ける私たちには大変興味深い結果となりました。


2023嘉大調査結果6

追跡できた8個体のうち5個体の情報がfacebookにアップされたので、
公開された個体ごとに移動経路などを見ていきたいと思います。

信念
今回唯一台湾を経由した個体で画像を見ると9月28日12時ころに済州島付近を通過し、
9月30日00時ころに台湾の彰化県に到着したようです。
写真の日時を計算すると連続約36時間の飛行になりますが、説明文には38時間の飛行と記載されていました。
この個体はその後10月10日に台湾墾丁を出発し、ルソン島サン・フアンを経由し、同サン・ホセに到着したようです。


2023嘉大調査結果5

痩痩
この個体は9月27日08時ころに韓国高興郡を出発し、約32時間の飛行ののち9月28日16時ころに西表島に到着。
その後11日間弱西表島に滞在したのち、フィリピンの離島を経由しながらミンドロ島まで南下したようです。




2023嘉大調査結果3

Kimchi
この個体は9月28日00時ころ韓国南海島を出発し、9月29日08時ころ長崎県福江島を経由、
その後10月1日12時ころには宮古島に到着したようです。
写真の日時を計算すると福江島から約52時間かけて宮古島に渡ったことになりますが、
あくまで衛星を受信した時刻と思われますので、正確な出発時間・到着時間は前後すると思われます。
この個体はその後石垣島に渡ったのち、フィリピンのルソン島に渡ったようです。


2023嘉大調査結果4

血腸
この個体は9月27日に韓国湖巨済島を出発し、その後佐世保市、長崎市、鹿児島県下甑島と経由したのち
10月2日には沖縄島の今帰仁村あたりに到着したようです。
その後沖縄島に7日間滞在したのち、糸満あたりから約30時間かけて10月10日にルソン島サンタ・エレナに到着したようです。



2023嘉大調査結果2

北三
この個体は9月9日00時ころ韓国昌原市を出発し、10時間後には対馬市上県町に入り同日12時には同市の厳原に到着。
その後長崎県的山大島、同西彼杵郡長与町、熊本県天草市牛深町、鹿児島県指宿市、同鹿児島郡三島村竹島、
鹿児島郡十島村悪石島、鹿児島郡十島村横当島、大島郡瀬戸内町与路島、鹿児島県徳之島伊仙町、
そして10月9日16時ころにはここ名護市に到着したようです。
その後翌日の10日には糸満市を出発し、ルソン島サンタマリアに直行したようです。

これらの調査結果から、以下のことがわかってきたようです。
・ 朝鮮半島の中央付近で捕獲したアカハラダカの越冬地までの移動経路には東西に幅があり、その多くが南西諸島を経由した。
・ 南西諸島を経由した個体はその後台湾には渡らずフィリピンに直行した。
・ 痩痩のように韓国から32時間で西表島まで渡った個体がある一方で、
  北三のように韓国から1ヶ月かけて沖縄島に渡ってきた個体もあるなど、移動時間にもかなりの幅があった。

なお、今回の調査結果について今後論文等で発表されることが期待されますが、
とりあえずすでに公表済みの今回の情報源を以下のリンクから是非ご確認ください。

嘉大棲地生態研究室 Habitat Ecology Lab of NCYU


231120長慶

それでは今期の観測にご協力いただいた皆さま、お疲れ様でした。
また来年もよろしくお願いいたします。


2023年(Autumn)秋期 名護岳タカの渡り調査記録






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  1. 2023/11/26(日) 16:04:02|
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