名護・自然観察日記

名護で出会った生きものを中心に紹介します。

イボイモリ

160406イボイモリ
                                               2016年4月6日 イボイモリ メス成体
4月6日、朝タカの調査で名護岳に向かう途中、お腹の大きなイボイモリを見つけました。

イボイモリは夜行性で、日中目にすることは稀なのですが、
春はイボイモリの繁殖期・産卵期にあたり、夜中開けた場所に出て来た個体が、
朝まで居残ることがたまにあります。




160403イボイモリ卵
                                                  2016年4月3日 イボイモリ 卵
その3日前の4月3日、名護岳付近の水がちょろちょろ流れる小さな水たまりの傍で、イボイモリの卵を見つけました。

イボイモリの産卵は水中ではなく湿り気のある陸地で行なわれます。
卵の径は約3〜4mmで、その周りを8mmほどのゼリー状の物質が卵を保護し、
地面と接する部分から水分を吸収し、卵の乾燥を防ぎます。

水たまりにはまだ幼生は確認できません。
幼生は何時姿をみせるのかな?

160513イボイモリ幼生1
                                                2016年5月13日 イボイモリ 幼生
5月13日 先月卵を確認した場所の脇にある小さな水たまりに訪れると、
いましたいました、イボイモリの幼生です。

幼生は産卵から13〜18日でふ化します。
既に20mmほどに成長した幼生が十数匹確認できました。





160601イボイモリ幼生
                                                 2016年6月1日 イボイモリ 幼生
6月1日、初期にふ化した個体でしょうか、体長はおよそ40mm。
後からふ化した個体のおよそ2倍のサイズまで成長し、色も成体のように黒くなって来ました。







160610イボイモリ幼生
                           2016年6月10日 イボイモリ 幼生
6月10日、色はさらに黒くなり、大分イボイモリらしくなって来ました。

イボイモリの幼生はふ化後約40日で変態し上陸するそうです。
卵を確認したのが4月の3日。産卵からふ化までの日数13〜18日を加えると、
そろそろ変態してもよさそうです。


6月12日、名護は激しい雨が降り、24時間雨量が150mmに達しました。
雨が落ち着いた14日に名護岳に向かうと、道路は土砂崩れのため車両通行止めとなっていました。
やむなく徒歩で現地に向かうと、20mm程度の小さな幼生は確認できたものの、
40mmほどに成長した黒い幼生は確認できませんでした。
変態して陸上に上がったのか、それとも大雨で流されたのか。

梅雨時期に幼生期を過ごすイボイモリは、おそらくその何割かは下流に流されるものなのでしょう。
そう考えると、下流に流された個体が元いた場所に戻るための移動ルートを確保することが、
地域個体群を維持するためには重要と言えそうです。

このようなイボイモリの生態を知らないまま、その棲息地に道路などの構造物を造り、イボイモリの移動ルートが遮断されると、
行動範囲の狭いイボイモリの地域個体群は、たやすく絶滅してしまうでしょう。

ちなみに、イボイモリは沖縄県および環境省レッドリストでは絶滅危惧Ⅱ類。IUCNレッドリストではEN。
世界で沖縄島、瀬底島、渡嘉敷島、奄美大島、請島、徳之島にのみ棲息する固有種です。









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  1. 2016/06/17(金) 10:54:27|
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