名護・自然観察日記

名護で出会った生きものを中心に紹介します。

サバニの制作 その7

1月23日 スクジー(船底)

170123スクジー制作0

舷側板の作業を終え、次にスクジー(船底)の制作に入りました。







170123スクジー制作1

分厚い材料から、スクジーとその角に使う材料をチェーンソーで木取りします。







170123スクジー制作2

不慣れなチェーンソーの作業を見かねて、池田さんが色んな道具を貸してくれました。
イボイボの着いた軍手はチェーンソーの振動を軽減し、長時間の作業から手を守ってくれます。






170123スクジー制作3

チェーンソーの刃も、専用のヤスリで池田さん自ら目立ててくれました。
目立ては最低でも2時間おきに、また切れ味味が落ちたと感じた時に行なうものだそうです。






170123スクジー制作4

木取りが済んだら、電気カンナで荒削りし、







170123スクジー制作5









170123スクジー制作7

舷側板に乗せ、






170123スクジー制作7_1

接合面を成形します。

その後、「隙間を確認し作業台に下ろし削る」の作業をを繰り返します。





170123スクジー制作7_2

本ハギのサバニは、分厚い板からくり抜かれた船底と板材から造った舷側板とをハギ合わせる工法です。
この本ハギサバニが考案される以前は、アカギやリュウキュウマツの丸太をくり抜いて造る
マルキンニ(丸木舟)が主流でしたが、
中国との貿易で大きな進貢船を造るための木材を確保する必要があった琉球王府は、
大木を消費とするマルキンニの建造を規制する必要にせまられ、
1737年ハギ船の建造を推奨し、それを機に本ハギサバニが考案されたようです。


170123スクジー制作8

その後サバニは、サイパンに移住した沖縄人達によって、
太平洋戦争直前の少ない物資の状況下で和船造りを参考に、
船底も板材で造る南洋ハギが考案されました。





170123スクジー制作9

そんな本ハギサバニは、マルキンニの血を受け継いだハギ船であることが、
このスクジーを見ると良く分かりますね。






170123スクジー制作10

スクジーの内側の荒削りが済んだら、板をひっくり返し表側をチェーンソーで落とします。







170123スクジー制作11

そしてまた舷側板乗せ、







170123スクジー制作12

もぐり込んで、内側からも隙間を確認します。







170123スクジー制作13








  1. 2017/02/04(土) 08:24:26|
  2. サバニ
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サバニの制作 その6

1月21日 舷側板の曲げ その2

170121舷側板曲げ作業19

舷側板の前後が閉じたら、各部に刺した全ネジ締め、







170121舷側板曲げ作業21

同時に舷側板下部に当てた垂木と、左右の全ネジ結んだ中心とをターンバックルで結び、
締め付けながら舷側板を必要な位置まで曲げて行きます。
このやり方も白保の新城さんから受け継いだものですが、
左右の舷側板の硬さが同じであれば左右同じカーブを描きますが、
硬さが違うと、柔らかい方の板が硬い方の板に負け、同じカーブが描きにくい欠点があります。

一方糸満では、左右の舷側板はそれぞれ対角側の床と結び、左右別々に角度をつけて行くので
同じカーブを描きやすい利点があるようです。

170121舷側板曲げ作業22

各部の寸法を測り、左右の板がずれないよう全体を確認しながら作業を続けました。







170121舷側板曲げ作業23

曲げの位置が決まったところで、左右の舷側板を固定しようとヒーサキ(船首)の近くにカスガイを入れた時、
カスガイの先端が刺さった部分から割れが入ってしまいました。
ここは曲げる力が最も溜まっていた部分でした。

直ぐに曲げを固定していたネジをゆるめ、エポキシ樹脂による補修をするため、
板を乾かし樹脂を注入し固定しました。


170122舷側板曲げ作業24

翌日、樹脂が硬化したのを確認し、再度割れが入らないよう、竹クギをハの字に入れました。
ちなみに糸満では今回割れた部分には、予め竹クギを3本入れてあるそうです。
今回失敗をすることで、先人たちの知恵を理解することになりました。





170122舷側板曲げ作業25

補修をすっかり終えたところで、ゆるめたネジを再び締め始めました。







170122舷側板曲げ作業26

ミズイトを張って、中心を取りながら左右の曲線を確認します。







170122舷側板曲げ作業27

曲げが決まったら接合の準備。







170122舷側板曲げ作業28

トゥム(船尾)側から合わせノコを入れ始めました。







170122舷側板曲げ作業29









170122舷側板曲げ作業30









170122舷側板曲げ作業31

ヒーサキ(船首)はかなりの圧力が掛かっており、ノコをいれるのもひと苦労。
でも、作っている姿はかっこいいよ! マコト!




  1. 2017/02/01(水) 09:00:00|
  2. サバニ
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サバニの制作 その5

1月17日 舷側板の曲げ その1

170117舷側板曲げ作業1

いよいよサバニの制作行程の中でも最もダイナミックな作業である、舷側板の曲げに入ります。
曲げ作業はこのサバニのポテンシャルを決定づける重要な作業。
作業に取りかかる前にしっかり手順を確認します。





170119舷側板曲げ作業2

海想の工房に置いてある同じ長さのサバニを採寸し、曲げる寸法を再確認します。







170119舷側板曲げ作業4

左右の舷側板が接合される部分に墨を入れ、







170119舷側板曲げ作業5

削ります。







170119舷側板曲げ作業6









170120舷側板曲げ作業8

舷側板の加工が済んだら、板を曲げやすくするためにしっかり濡らします。







170120舷側板曲げ作業9

表が済んだら板をひっくり返し、掘った部分に水を溜め一晩置きます。
このやり方は師匠である白保の新城さんから受け継いだもの。
一方糸満ではシンメー鍋でお湯を沸かし、熱湯を掛けながらゆっくり曲げます。





170121舷側板曲げ作業10

翌日、しっかり水分を吸った舷側板を立て、ヒーサキ(船首)部分を固定します。







170121舷側板曲げ作業11

そしてゆっくり開き、







170121舷側板曲げ作業14









170121舷側板曲げ作業15

内側に必要な幅を確保するため、ターンバックルを入れ、







170121舷側板曲げ作業16

トゥム(船尾)をゆっくり閉じて行きます。







170121舷側板曲げ作業17

曲げは3回に分け、この時は1時間40分ほどでトゥム(船尾)が着きました。
糸満では全体を一機に曲げるのではなく、ヒーサキ(船首)側からお湯を掛けゆっくり曲げ、固め、
全体を曲げ終わるのは、日をまたぐこともしばしばだそうです。





170121舷側板曲げ作業18

※ 作業について正確に聞き取れていない部分もあると思いますので、間違いがありましたらご指摘ください。












  1. 2017/01/30(月) 09:08:21|
  2. サバニ
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サバニの制作 その4

1月14日 舷側板の制作 フンドウ

170114舷側板製作32

竹クギを打ち終えたら、竹クギと竹クギの間にフンドウ(糸満ではフンルー)を入れます。
フンドウの材料はチャーギ(イヌマキ)が使われます。
フンドウ作りははじめにフンドウの幅に板を加工し、
次に棒状の材料に木工ミシン(糸ノコ)でフンドウの山と谷部分に切れ込みを入れます。




170113舷側板製作19

次に切れ込み部分にノミを当て、谷部分を落として行きます。
フンドウは一隻のサバニに数百個必要なので、作業も大変です。






170115舷側板製作31

そこで、私も少しお手伝い。
ジグを作って昇降盤で量産してみました。






170114舷側板製作29

次にフンドウをつなぐ板に打ち込みます。

はじめにフンドウの谷部分を板のつなぎ目にあて、フンドウの外形を鉛筆でなぞります。




170114舷側板製作24

次になぞった線を目安にノミを入れます。







170114舷側板製作25

必要な深さに掘って、







170114舷側板製作26

底を平らに整えます。







170114舷側板製作27

穴を掘り終えたら、フンドウにサバアンダーをつけて叩き込みます。







170114舷側板製作30









170115舷側板製作33

板の矧ぎ目がユカモチに掛かっていても、同じようにフンドウを入れて行きます。







170117舷側板製作34









170117舷側板製作34-1









170114舷側板製作28

今回このサバニを発注された佐藤さん(中央)も合流し、最初のフンドウを打ち込みました。







  1. 2017/01/28(土) 08:51:31|
  2. サバニ
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サバニの制作 その3

1月13日 舷側板の制作 竹クギ

170113舷側板製作20

今回のサバニは本矧ぎという工法で、それぞれの部材はチャーギ(イヌマキ)で作られた鼓型のフンドウ(ちぎり)と、
孟宗竹で作られた竹クギで接合されます。前々回の舷側板の作成で木工用ボンドが使用されていましたが、
海に浮かべて使用する船造りに使用される木工用ボンドは、あくまでも作業効率上使用されるもので、
基本的にはフンドウと竹クギで接合されています。




170113舷側板製作17_1

竹クギは専用のツバノミで下穴を開けて、打ち込まれます。
幅の広い板を接合する場合竹クギは部材の表面から入れざるをえませんが、
竹クギが接合する板に平行に入るよう、ツバノミは少し反り返っています。
ツバノミは下穴を開ける際部材にきつく叩き込まれるので、
部材から抜く時にツバ部分を反対側からゲンノウで叩くよう造られた竹クギ専用の道具です。



170113舷側板製作16

ツバノミを入れる角度が浅いと竹クギは板の裏面に貫通し、逆に角度が深すぎると板の表面に出て来るので、
ツバノミを倒すあんばいを見きわめるには、経験を積むほかないようです。






170113舷側板製作17

打ち込まれる竹クギは海水に浸かっても腐らないよう、サバアンダー(サメの油)にしばらく浸け込んだものを使用します。
(師匠の新城さんはサバアンダーの代わりにエンジンオイルに浸け込むそうです。)






170113舷側板製作18

竹クギは交差するよう打ち込み、その間にフンドウを裏表交互に入れ、
接合した部材が離れないようします。







170113舷側板製作21

竹クギが打ち込まれて、やっとサバニ制作らしくなって来ました。







170113舷側板製作22









170114舷側板製作23

打ち込まれた竹クギはノコで板ヅラに切り落とされました。







  1. 2017/01/26(木) 09:05:00|
  2. サバニ
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プロフィール

Author:細川太郎
名護に住み、身近な自然のすばらしさに日々感謝しています。宝物は意外と自分の足下にあるものです。

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